21/22 ベルギー ジュピラー・プロ・リーグ 5節延期分

こんにちは。今回は、アントワープアンデルレヒト、ヘントの3チームがEL・ECL予選を戦った影響で延期されていた5節の2試合。ともに強豪同士の対戦、またアントワープvsヘンクは三好康児と伊東純也の日本人対決でもあるため、嬉しいことにどちらの試合もDAZNでの配信があった。

 

アントワープ 4-2 ヘンク

調子を上げてきたアントワープと、この試合に勝利すればクルブと勝ち点で並び、得失点差で首位に立てるヘンク。アントワープはメンバーが固まり、3週連続ミッドウィークに試合がある2週目だが、多くのメンバーは固定。三好康児も連戦ながらスタメンでの出場が続いており、プリスケ監督からの信頼の厚さが窺える。連戦ということもあってか前節のSTVV戦ではさながらターンオーバーといった具合でメンバーを大きく入れ替えていたヘンクは、このアントワープ戦ではトルストヴェット、ヘイネン、オヌアチュらをスタメンに戻した。伊東純也は三好と同様、連戦でも出ずっぱりである。

最初試合を支配したのはアウェイのヘンク。エイティングが中盤の底に入るようになってから、ボールを大事にする傾向が増した印象がある。トレゾールや伊東にボールが入っても、無理せず作り直すことが多かった。このゲームでは特に右サイドで伊東とムニョスのコンビネーションが威力を発揮しており、開始早々から何度もチャンスを演出。先制点はムニョスからのスルーパスに伊東が抜け出し、ダイレクトで折り返してオヌアチュが反転しながらフィニッシュ。伊東のアシストからオヌアチュがゴールを決めるのはこれで公式戦3試合連続である。

時折アントワープのカウンターも見られたものの最初の20分はヘンクが支配的であったが、その後はアントワープのゲームになる。442のSHで出場しているフィッシャーと三好があまり開かず、中央に入ってきてボールに触り、サイドはSBに明け渡す。混雑しすぎないように誰かは必ずサイドに抜けてバランスを維持し、失っても中央の密度が濃いためカウンターを食い止める、ないしはすぐに奪い返すことが可能になっていた。この日はCHに入っていたゲルケンスが、かなり気を利かせて危険なスペースを埋めていたことも大きいだろう。27分にCKのこぼれ球を拾ったデ・ラートのシュートで同点に追いつくと、ヘンクはやや落ち着きを失いアントワープショートカウンターを軸に陣地を回復できるようになってくる。相手陣地深い位置で三好がボールを奪回してからの流れで得たFKをフェルストラーテが決めて逆転に成功すると、41分にはフェルストラーテのミドルシュートを三好が詰め、3-1とする。EL予選ではゴールを決めていた三好だが、リーグ戦ではこれが待望の今季初ゴールとなった。ヴァンデヴォールトの弾いたボールが綺麗に三好のところに跳ね返ってきたが、これはフェルストラーテがシュートを放つよりも前にゴール前に走り込んだ三好が報われたゴールと言っていいだろう。

後半は再びヘンクが一方的に押し込むがアントワープはキーパーのビュテを中心に得点を許さず、逆にルクミのミスパスを拾ったサマッタの折り返しをフライが決め、点差をさらに広げた。フライはこれで早くもリーグ戦10点目。ヘンクは終盤にオヌアチュがPKを決めて1点を返すも万事休す。昨季どころか、2連敗でスタートした開幕時とすら全く別のチームになっているアントワープは、今後本格的に上位戦線を賑わせそうだ。試合数が揃うこのタイミングで首位に立つチャンスを逃してしまったヘンクは今季2度目の4失点。翌週もELがあり連戦が続くが、立て直して10月の代表ウィークを迎えたいところだ。

 

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アンデルレヒト 1-1 ヘント

大勝したクルブ戦の印象が強いものの9月は連敗中。降格圏近くに沈んでいるヘントは、連勝中のアンデルレヒト相手にカストロ・モンテスのミドルシュートで先制。アンデルレヒトに長い時間ボールを握られながらも、ソリッドな442を保ち前半はしぶとく守り抜いた。リードを守りつつ、ベズスのキープ力を活かしたカウンターなどで追加点のチャンスを狙っていきたかったが、57分左サイドをオーバーラップしてきたセルヒオ・ゴメスをカストロ・モンテスが倒し、PKを与えてしまう。これをラファエロフが決めて同点に。その後もアンデルレヒトが攻め続ける展開が続いたが、大きなチャンスはどちらにも生まれず痛み分けとなった。ハーフタイムで退いたヘントのデュポワトルが、後半試合中にスタンドでインタビューを受けるというレアな光景もあった。

 

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